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神水だより 2023年秋(最終)

神水終了のお知らせ

7月にご案内しました通り「黒部の神水」の一般販売は2023年9月をもって終了し、
定期購入の皆様へは、11月までのお届けとなります。

「神水」の売上から寄付させていただいております奥山保全トラストより「トラストだより」が届きましたので、
最後の「神水だより」としてご案内させていただきます。

長らくのご愛顧、誠にありがとうございました。

 

1.奥山保全トラスト「トラストだより 28号」

2.奥山保全トラスト<トラスト地ツアーに参加しました>

3.新作映画『LAST HOPE(ラストホープ)~マインドコントロールを解き放つとき~』

4.白鳥哲監督の近況

 

 

 

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1.奥山保全トラスト「トラストだより 28号」

 

奥山保全トラストより、「トラストだより」が届きました。

 

 

「トラストだより」のバックアップは下記にてご覧いただけます。

広報誌「トラストだより」バックナンバー▶

 

 

今後の奥山保全トラストへの支援は、アーシアン基金の方から寄付させていただく方針です。

アーシアン基金▶

 

 

 

 

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2.奥山保全トラスト<トラスト地ツアーに参加しました>

10月28日~29日奥飛騨でのトラスト地ツアーに参加してきました!

 

 

 

皆さん、こんにちは。
白鳥哲です。

地球は「水の惑星」と呼ばれていますが、飲み水として飲める水は僅かに0.01%。
安全な水は世界196か国のうちの9か国。その中に含まれる日本の水は大変に貴重な資源となります。
地球蘇生プロジェクトでは日本の水源地を守る活動として「奥山保全トラスト」を支援しています。この団体は、水源の森である奥山の自然林を購入し、守る活動をしています。
現在、総面積2535ヘクタール、22ヵ所に及んでいて、国内最大のトラスト運動となっています。

10月28日、29日は、この奥山保全トラストのツアーで、岐阜県奥飛騨温泉郷トラスト地へ視察に行ってきました。

 

 

岐阜羽島からバスで2時間近く、トラスト地へ上る入口に位置する場所、中原高原バス停まで移動。そこでお昼をとり、この日は天候が悪く寒かったので、バスの中で飛騨産業会長の代表取締役会長岡田贊三氏のお話を聞くことになりました。

飛騨産業は1920年創業の家具メーカーで、西洋の曲げ木と呼ばれる技術で家具を作り続ける老舗企業です。戦後より、海外から入ってくる安い外材を使って家具を作っていましたが、
岡田会長はこのことに違和感を覚えたそうです。
そして、海外からわざわざ輸入した外材で家具を作るのではなく、飛騨でとれる杉、ヒノキで家具が出来ないか?を思案します。
杉やヒノキは軽いので、家具には適さないと言われているのですが、曲げ木の技術を生かし、固い家具用の木材にするための試行錯誤をします。杉は圧縮することで固くなり、家具に使う材として生まれ変わるようになっていきます。

岡田会長は更なる挑戦をします。
通常、材木の「ふし」と呼ばれる部分は形が悪いので、扱いに困ると不良の材木になります。しかし、その「ふし」を木材のデザインとして生かしたのです。
あえて「ふし」を使うことで斬新なデザインの家具ができます。
「ふし」を使った家具は、「森のことば」として、一躍ヒット商品となったのでした。

杉、ヒノキの樹液には抗菌作用があり、農業用資材として使うことで資源として活用出来るようになりました。また、アロマとしても活用したりと、新たな領域まで活用の幅が広がっていったのです。

その土地にある資源を工夫して最後まで使う。
まさに日本人の叡智の結集のようなお話でした。

岡田会長のお話を伺ってから、バスを降りて、トラスト地へ向けての登山がスタートしました。
周囲は硫黄の匂いが立ち込めています。
ここ焼岳(やけだけ)は長野県と岐阜県にまたがる標高2000メートル以上の活火山で、入口付近の掲示では「警戒レベル1」が表示されていました。
歩き始めると、赤、黄色、緑に彩られた紅葉の光景が眼前に広がってきました。
思わず感嘆の息が零れ落ちました。

「なんて美しいのだろう」

すると、案内役の羽田研究員が話し始めました。
「海外の人たちはこの赤色の紅葉に感動されます。海外では主に黄色の紅葉が主だからです。なぜ、赤色に染まるか?わかりますか?」

 

 

同じ班の方かすぐに答えました。
「アントシア二ン」
「そうです。気温の変化が始まって葉っぱが光合成をやめた時に、葉っぱの中のアントシア二ンで葉っぱが赤に染まるのです」
アントシア二ンとは植物界において広く存在する色素です。果実や花に見られる、赤や青や紫などを呈する水溶性の色素群として知られるアントシアン(英語: anthocyan)に分類される化合物の中で、アントシアニジン(英語: anthocyanidin)がアグリコンとして糖や糖鎖と結びついた配糖体が、アントシアニンです。植物の抗酸化物質としても知られています。

「黄色に紅葉するのはカロテノイドの色の現れです」
「気温が下がると葉っぱのつけ根辺りに離層と呼ばれる層が出来て、葉っぱが光合成をやめます。その時、葉に残ったアントシアニンで色づくのです。」
そして、葉っぱが落ちたあとに茎を指して
「これが冬芽です。冬の間に次の芽が出ているのです。これが春になると葉をつけるのです」
見てみると、赤ちゃんが被る帽子のように見えてなんとも愛しい気持ちになりました。

 

 

紅葉は次の世代に引き継がれる為に見せる最後の輝きのように感じました。
地面を見ると色とりどりの落ち葉が広がっていました。
この一つ一つの個性がやがてダンゴムシなどの虫たちのいのちになり、その糞が沢山の栄養分を含んで豊かな土壌となって森を創るのです。

感動しました。

その余韻を噛みしめながら、山道をのぼりトラスト地全体が見える川の傍に到着しました。
そのすぐ傍でドングリを拾いました。
そのドングリはミズナラのドングリでした。
ミズナラは川や水が豊富なところに育つ樹種で、落葉広葉樹の代表的な種です。

「そうか…だからナラ枯れが起きているんだ」

川の傍で、豊富な水があるところだからこそ生きられるミズナラは、山の保水能力が落ちると虫食いが始まり立ち枯れてしまう。
近年、ミズナラの立ち枯れの様子が各地で目撃され、「ナラ枯れ」と呼ばれています。山の保水力が落ちているのがその原因の一つなのです。

さらに進んでいくと、トラスト地の看板が立っているところに到着しました。
その付近は、チシマザサという下草が生えているところで
羽田研究員がこのように質問しました。

「このチシマザサの高さでこの地域の積雪量が分かります。雪の下は暖かいので、それより上には生えないのです。その年の積雪量を予測して卵を産む虫がいます。その虫は何だとおもいますか?」
「カマキリ」
「そうです。カマキリにはその年に積雪する雪の高さより下に卵を産んで寒さを防ぐ知恵があるのです。どうやってそれが分るかは分っていません」

その年の積雪量を予測して卵を産む。
生き物たちの能力の凄さに改めて驚嘆しました。

そのまま下山して、温泉宿へ向かいました。
夜は食事をしてから研修の時間となりました。
新しく購入できたトラスト地についての説明がありました。
広島二ヵ所、新潟一ヵ所の計三ヵ所。
そのトラスト地の説明の中に、近年頻発する熊の人身事故とその対応についての話がありました。熊との共生について考える大きなきっかけになりました。

翌日、宿を出発して焼岳入口にバスを止め、焼岳の一般登山道への登山を始めました。
色とりどりの紅葉を味わいながら、昨夜の話を思い出し熊の立場になって森を見てみました。
まず、熊の目線で見える餌は何か?
冬眠をする前に巨体を維持するための食糧を得る為にどのような生活をしているのか?
前日とは違う視点で、山を見ていくことになりました。

標高が高くなるにつれ植生が変わっいくのに気づきました。
極相林と呼ばれる様々な植生が調和した森が見られるようになりました。
ブナ、トチノキなどの高木。
カエデ、クロモジなどの低木。
そこに日光がさし、チシマザサなどの下草が生えてお互いが補い合って群生している森です。

その中心がブナです。

ブナは漢字で「橅」と書きます。木で無い木。
水分を多く含みお金にならないという意味が込められているそうですが、これは、戦後の日本人が山をどのように捉えていたか、その象徴的な意味があるように感じました。
価値観の基準を「お金」でみて、いのちの視点でものを見なかったのです。
水分を多く含み、その水分によって伏流水 (ふくりゅうすい)が育まれ、実り豊かな土壌となり、まさに豊かな森の象徴がブナと言えるのです。
ブナのドングリは高カロリー高たんぱくなので、熊たちがそれを食べる為に木の上に熊棚をつくります。ドングリを食べ、彼らがいることで森の生態系が守られてきたのです。

熊の視点で森を見ていくと、ブナの森は安心感があり、チシマザサやクマザサの下草に身を隠したり、そこで採る山菜などが森の恵となるのが分かります。
そこへ突然、人間が現れたら恐怖から飛びつくという反応に繋がるのだろうと思いました。

その後、トチノキの葉っぱ、ハウチワカエデなどの葉っぱの美しさなどに魅了されながら
滝の見える絶景ポイントに到着しました。

下山しながら、近年多発している熊の人身事故についての話になりました。
熊と実際に遭遇したときの対処方法について次の事があります。
1.音を立てて熊たちに人間がいることを知らせる
2.目を見ながらゆっくりと下がる
3.遭遇してしまった場合は地面にうずくまってリュックなどで頭を抱えて急所の首を守る。

羽田研究員は次のお話をしてくれました。
「兵庫県の果樹園の主人がクマに襲われて、その時、主人がこんな話をしていました。熊が襲ってきたときに、熊を抱きしめて謝った。『ごめんな』と。そのうちに熊は身体を放し、次第に去っていったのだと」

以前、映画『ホワイトライオン』の取材で、ホワイトライオンの保護活動をされているリンダ・タッカーさんから、交戦状態にあったライオン同士の間を老婆が子供を抱いて悠然と歩いた話をお聞きしたことを思い出しました。
その老婆はなぜ、そのようなことが出来たのか?

そこにはライオンたちに対する深い「愛と敬意」があるというお話でした。

すべての生きとし生けるものに愛と敬意が必要なのです。
私たち人間は謙虚に生きとし生けるものと向き合うことが大切なのです。

深い充実感を感じた視察となりました。

 

 

愛と感謝と祝福を
白鳥哲

 

 

≪公益財団法人 奥山保全トラスト≫
https://okuyamatrust.org/

≪一般財団法人 日本熊森協会≫
https://kumamori.org/

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短編映画『水源』(恩送り配信中)▶

短編映画『循環』(恩送り配信中)▶

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3.新作映画『LAST HOPE(ラストホープ)~マインドコントロールを解き放つとき~』

10月に産声を上げた白鳥監督の新作映画
『LAST HOPE~マインドコントロールを解き放つとき~』の上映がスタートします!

ぜひ劇場に足をお運びください

 

 

映画『LAST HOPE』公式サイト▶

 

・大阪 シアターセブン 11月4日(土)~11月10日(金)12月9日(土)~12月15日(金)
・東京 TCC試写室   11月23日(木・祝)~11月26日(日)
※11月23日(木祝)13時~は白鳥監督からの【恩送り公開】となります

・名古屋 シネマスコーレ 2024年~
・長野 相生座・ロキシー 2024年~

 

 

自主上映受付中!

自主上映・問い合わせ▶
自主上映・手引き▶

 

 

 

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4.白鳥哲監督の近況

 

新作映画の完成披露試写会が無事終了し、ロードショーもスタート、
同時に、地域限定ではありますが自主上映の受付もスタートさせました。

『LAST HOPE』の講演会の依頼も多数いただいております。
是非、会場へお越しくださいませ。

 

 

【クラウドファンディング(キャンプファイヤー・コミュニティ)<白鳥哲の「活動応援基金」>】

白鳥監督の活動をご理解いただき、応援していただける窓口を通じて、監督の本音トークを展開しています。
このサイトには、白鳥監督が今まで行ってきたこと、活動中のこと、
これからやりたいことなど網羅しています。
ラジオやYouTubeにはアップできないお話などは<白鳥哲の活動応援基金>の限定ラジオ、限定Facebookグループで発信しています.

ぜひ下記サイトをご覧ください。

<白鳥哲の「活動応援基金」>▶

 

 

オンラインサロン<恩送りコミュニティ>

白鳥監督のオンラインサロンは、

☆ 参加費:恩送り
方法:zoom
有志の方は、どなたでも参加可能!

どうぞお気軽にご参加ください。

オンラインサロン<恩送りコミュニティ>

 

 

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2023年11月吉日

株式会社 OFFICE TETSU SHIRATORI
253-0053 神奈川県茅ヶ崎市東海岸北2-9-48
電話 0467-87-6731(月火木金10~15時)
FAX 0467-87-6732

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